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デザインをより良く作る為に必要な事〜その1〜

コラム ロゴ作成
2020.06.09

「デザインの勉強をしているけど、なかなか上手くならない…」

そう悩んでいるデザイナー初心者の方は、多いのではないでしょうか?

 

少しでもデザインを良くしたい・スキルアップしたい思う方の為に、2回に渡って「デザインをより良く作る為に必要な事」をご紹介します。

 

 

 

 

 

「センス」よりも前に、デザイン上達に必要な事とは?

デザイナー初心者の方は、「デザインを良くしたい!」と思ってなかなか上手くいかないと、「もっとセンスを磨かなくては…」と考えるかもしれません。

しかし、そんな時はセンスを磨くよりも、デザインに関する基本的な“知識”と“経験”を増やした方が早く上達する可能性があります。

 

デザインする事を、料理に例えると分かりやすいでしょう。

レシピ無しに、いきなり料理を作れる人はほとんどいません。レシピ無しで料理が出来る人は、昔から料理作りを手伝ったり、自分で色々な料理に挑戦してきた、「基本的な料理経験がある人」です。

 

料理経験の無い人が料理を作るには、まずはレシピを見て作るしかないでしょう。レシピ通りに作ったとしても、料理の知識と経験がなければ、当然失敗する事はあります。

ですが、料理を繰り返し作るうちに、料理の知識と感覚が身に付き、いずれレシピが無くても料理を作れるようになるのです。

レシピを見る人

 

 

基本的な知識や経験無しに、いきなり「上手くやろう」としても、上手くいきません。

地道ではありますが、デザインの基本的な知識と経験を増やす事が、確実にスキルアップ出来る方法なのです。

 

 

 

 

まずは基本を押さえよう!デザインの4原則

デザインの「基本」はご存知でしょうか?それは、下記の「デザインの4原則」です。

デザイン4原則

1.接近

2.整列

3.強弱

4.反復

 

それでは、ひとつずつ解説していきましょう。

 

1.接近

「関連する情報は、近い場所に配置する」事です。

関連する情報なのに、お互いが離れた場所に配置されていると、デザインを見た人には「関連性」が感じられませんよね。

関連する情報同士は近い場所に配置し、関連しない情報とは明らかに離す事で、デザインを見た人が正しく情報を受け取れるようにします。

接近のイメージ

 

 

 

2.整列

「“基準”を決めて、情報を揃えて配置する」事です。

情報があちこちに散らばっていたりガタガタに配置されていると、視線をあちこちに向けなくてはいけないので、情報を受け取る際にストレスを感じてしまいます。また、配置が揃っていないと、デザインが「素人っぽい」と感じさせる原因にもなります。

情報が揃って配置されていると、デザインを見る人の視線の流れがスムーズになり、ストレス無く情報を受け取る事が出来ます。

 

整列のイメージ

ただし、あまりにもキッチリ揃えすぎていると、デザインが「つまらない」と感じる事もあるでしょう。楽しさを感じさたいデザインにする場合は、多少バラつきがあった方が良いですよね。

ですがその際にも、“基準”を決めて意図を持ってバラつかせると、デザインを見た人に不安定さを感じさせません。

整列の応用イメージ

 

3.強弱

「優先順位に応じて、情報に変化をつける」事です。「対比」や「コントラスト」とも言われます。

フォントの大きさやデザインが全て同じ調子…つまり、メリハリの無いデザインにしてしまうと、「どの情報が重要なのか」が伝わりにくくなります。

例えば新聞の場合、見出しには伝えたい情報が凝縮されている為、目立つようなフォントでサイズも大きくしています。対して本文は見出しより目立たないフォントで、サイズも小さくしてメリハリを付けていますね。

もし、見出しも本文も同じフォントの種類・大きさだった場合、見出しで目を引く事が出来ず、読み流されてしまう可能性が高くなるでしょう。

強弱を付ける事によって、“強”の部分で一度目線を留めさせ、その次の“弱”の情報も読ませる事が出来るのです。

また、情報に“強弱”を付ける事で、強→弱の情報へ、視線の流れをスムーズにさせる効果もあります。

強弱のイメージ

 

 

 

4.反復

「同じデザインを繰り返して、情報を整える」事です。

「デザインは凝った方が良い!」と思って、あれこれデザインを変えようとするかもしれませんが、必要以上に変えてしまうのは、逆に全体のデザインを悪くしてしまいます。

 

フォントや装飾(枠や罫線)、色などをあれこれ変えてデザインを作ってしまうと、デザインを見た人は、情報よりも装飾の方に目(意識)が行ってしまいます。そんな状態では、伝えたい情報が十分に伝わりません。必要以上に装飾を変えない方が、情報を受け取りやすいのです。

反復のイメージ

また「反復」は、デザインを見た人が自然に「同じデザイン=関連する、または同列」と認識する為、情報の伝達を早くする効果もあります。

反復のイメージ2

 

 

 

デザインする事の“本当の目的”とは

さて、ここで「デザイン上達の話なのに、情報整理の話になってない?」と思った方がいるかもしれませんね。

 

実は「デザインをする」という事の中には、「情報を整理する」という目的があります。

 

「デザイン」と言うと、「見た目の良さ(カッコいい・オシャレ)をどうするか」という方に意識が向いてしまいがちですが、それよりもまず考えなくてはいけないのが「情報を、いかに上手く整理して、人に伝えるか」です。

そして、情報を上手く整理して、人に伝わるデザインになった結果が、「カッコいい・オシャレなデザイン」なのです。

 

 

先述した「デザインの4原則」自体は難しいものではありませんし、「何となく知っている」という方は多いかもしれません。

ですが、この「4原則」をただ「知っている」だけではデザインは上達しません。何事にも言えるのですが、インプット・アウトプット両方行わなければ、身に付く事はありません。

「4原則をきちんと使いこなせる=情報を上手く整理出来る」ようになる事が、デザイン上達に繋がるのです。

デザイン上達を目指すのであれば、まずは「デザインの4原則」を使い、情報を上手く整理出来るようになりましょう。これが出来るようになるだけでも、デザインはグッと良くなります。

 

 

 

 

「王道のデザイン」を作れるようになろう

考えるイメージ

デザインする時、「他には無い、カッコいい(オシャレな)デザインを作ろう!」と思うかもしれません。ですが、デザインの基本的な知識と経験が不足している場合、まずは「王道のデザイン」を作れるようになった方が良いでしょう。

 

例えば、「京都っぽいデザイン」にするなら、お寺や舞妓さんをイメージできるようなモチーフや色、和を感じるフォントを使うと、「京都っぽさ」を感じるデザインにする事が出来るでしょう。

「子供っぽいデザイン」なら、柔らかく、カラフルな色や形、丸みのあるフォント。

「近未来っぽいデザイン」なら、シャープなモチーフや、クールな色使い…等。

デザインを見た人の多くが、「○○っぽい」や「○○らしい」と感じる、「王道のデザイン」というモノがあります。

王道デザインのイメージ

無理に「カッコいい・オシャレなデザイン」にしなくても、「王道のデザイン」が作れるようになるだけで、「デザインが出来ている」ように見せる事が出来ます。

 

また、「○○っぽいデザイン」が自在に作れるようになる事は、デザイナーの仕事をしていく上では欠かせないスキルなので、身に付けて損はありません。

 

デザイナーは、依頼主から依頼を受けてデザインを制作をします。

その際に、依頼主から「○○っぽいデザインにしてほしい」といった具合に、イメージや雰囲気を指定したデザインを要望される事が多くあります。その場合、「どう作れば○○っぽいデザインになるのか」を知っていないと、その要望に応える事が出来ません。

「他には無い、カッコいい(オシャレな)デザイン」は、デザイナーとして必要な「王道のデザイン」が作れるようになってから、個性として磨く部分なのです。

 

では、どうやれば「王道のデザイン」を作れるようになるでしょうか?

 

それは、色々なデザインを見て「これは○○っぽいデザインだな」と感じたモノを観察し、なぜ「○○っぽいデザイン」と感じるのかを分析するのです。「○○っぽいデザイン」には、そう感じさせる“見せ方”が必ずあります。

「○○っぽいデザイン」の“見せ方”を知る事が出来れば、作れるデザインの幅を大きく広げる事が出来ます。

 

 

今回は、「デザインをより良く作る為に必要な事」として、デザインの基本的な“知識”についてご紹介しました。

次回は、デザインをより良く作る為に必要な“経験”の増やし方について、ご紹介します。

 

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