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デザイナー志望者必見!必要な3つの「コミュニケーション力」
今回は、デザイナーにはどんな「コミュニケーション力」が必要なのかについて、解説いたします。
デザイナーに必要な「コミュニケーション力」
要望を「聞き出す力」
デザイン制作を始める前に、必要となるのが依頼主からのヒアリングです。
依頼主がデザイン制作を依頼するのは、デザインの力を使って何か解決したい問題や課題があるからです。まずはその問題や課題を、依頼主からしっかり聞き出す必要があります。
また、依頼主がどんなデザインを求めているのかも、細かく聞き出す必要があります。依頼主からすると「デザイナーだから、“いい感じ”に作ってくれるだろう」と、あまり多くの要望を伝えない事もあるからです。
もし、ヒアリングで聞き出した情報に不足があったり、依頼主との認識のズレがある状態で制作を進めた場合、“やり直し”となってしまう可能性があります。
ですので、ヒアリングの際にはいかに詳細な要望や情報を聞き出せるかが、ポイントとなってきます。
会社に所属しているデザイナーであれば、依頼主に直接ヒアリングを行う事は無いかもしれませんが、代わりに担当営業やディレクターから依頼主の要望をしっかり聞き出しましょう。
要望や指示を「理解する力」
せっかく依頼主から詳細な要望を聞き出せても、デザイナー側でそれを上手く受け取れなければ、デザインに反映する事は出来ません。
修正指示があった場合も同様です。
依頼主に限らず、会社のチームメンバーでデザインに精通していない人にとっては、デザインに対して的確な要望や指示をデザイナーに伝える事が出来ません。
その為、出された要望や指示は「こうしたら、こんなデザインになるんじゃないかな?」という“あくまで想像”です。
“想像”で出された要望や指示では、依頼主の問題や課題を解決するデザインになるとは限りませんよね。
そこでデザイナーに必要となるのが、依頼主やチームメンバーの要望や指示の“目的”を「理解する力」です。
“目的”がきちんと理解出来ていれば、要望や指示をそのままデザインに反映する必要はありません。
例えば、「色」に関する指示があったとします。
「女性らしいイメージが良いから、赤色にしてほしい」という指示があった場合、“目的”は「女性らしいイメージにしたい」ですね。
「女性らしいイメージ」を表す色は、赤に限りません。
ターゲットやユーザーとなる女性によっては、赤以外の色にした方が、しっくり来るデザインに仕上がる事もあります。
表面的な要望や指示だけを受け取るのではなく、“目的”をしっかり理解する事で、依頼主やチームメンバーが納得するデザインを提案する事が出来るのです。
もし、“目的”が理解出来なければ、曖昧なままにせず、理解出来るまで確認を行いましょう。
考えを「伝える力」
ヒアリングした内容をきちんとデザインに落とし込めれば、デザイナーの仕事は終了…と、思っている方は多いのではないでしょうか?
依頼主やチームメンバーに「なぜ、そのデザインにしたのか」といったデザインコンセプトを伝える事も、デザイナーの仕事のひとつです。
デザイナーは、「カッコいい、オシャレなデザインを作る事」を求められているのではありません。依頼主の問題や課題を、「デザイン力によって解決する事」を求められています。
ですので、デザインコンセプトを依頼主やチームメンバーにきちんと伝えるという事は、「どのようなデザインにする事で、問題や課題を解決しようとしているのか」を伝えるのと同じ事になるのです。
そして、コンセプトがしっかり考えられていると、「デザインに説得力を持たせられる」というメリットもあります。
もし、デザインコンセプトをきちんと伝えられなかった場合、どうなるでしょうか?
「何となく、こうした方が良いと思って…」という伝え方では単なる“デザイナーの好み”になってしまうので、出来上がったデザインに説得力を持たせられません。
説得力の無いデザインでは、依頼主やチームメンバーから「それならこっちの方が…」と、“各々の好み”で変更を指示されてしまいます。
特に、会社のチームメンバーに対して、デザインコンセプトを伝える事は重要です。
デザインに関わる人数が増えるほど、認識はズレてしまいがちです。認識のズレを防ぎ、目指すゴールをチームメンバーと共有する為にも、デザインコンセプトをきちんと伝える力が必要なのです。
考えを“伝える”のは、依頼主や会社のチームメンバーだけではありません。
前回の記事でも少し触れましたが、ターゲットやユーザーに対しても、“伝える”コミュニケーションが必要です。
ただし、こちらの場合は直接的なコミュニケーション「言語的コミュニケーション」は取れません。“デザインを通じて”のコミュニケーション「非言語的コミュニケーション」になります。
「非言語的コミュニケーション」のデザインで分かりやすい例が、「ピクトグラム」です。
トイレや非常口、撮影禁止など、街中でよく見かける「マーク」の事です。
ターゲットやユーザーに対して“伝える”コミュニケーションでは、「どんなデザインにすれば、どう伝わるか」といった、デザインを通じて人々が受け取るイメージに関する知識が必要になります。
この知識は、先述した「コンセプトをきちんと伝えられるデザイン」を作る際にも必要です。
「コミュニケーションが苦手」な場合の対処法
デザイナーに必要な3つの「コミュニケーション力」は全て、「依頼主の抱える問題・課題を解決する為のデザイン」を制作する上で欠かせないものなので、「コミュニケーションは苦手だから…」と言って避ける事はできません。
しかし、コミュニケーションというと「会話する事」に注目してしまいがちなので、上手く話せない人にとってはどうしても苦手意識が生じてしまいますよね。一般的なビジネスの現場であれば、会話を中心としたコミュニケーションは重要視されますが、デザイナーの場合は、必ずしも「会話する事」に注目する必要はありません。
ですので、「コミュニケーションが苦手」という方は、下記のように“変換して”捉えてみてはいかがでしょうか?
- 聞き出す→情報収集、質疑応答
- 理解する→確認作業
- 伝える→客観的・根拠のある説明
コミュニケーションが苦手だからと言って「デザイナーに向いていない・デザイナーになれない」という事はありません。
少し意識を変えるだけでコミュニケーションへの苦手意識が軽減されるので、ぜひ試してみてください。
お困りのことがございましたら、お気軽にこちらからお問い合わせください。