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Googleロゴデザインリニューアルの歴史 その2

コラム
2021.06.08

「ロゴデザインのリニューアルは、どんなタイミングで行えば良いのか分からないなぁ…」

そんな時には、有名企業がどのようなタイミングや理由でロゴデザインをリニューアルしたのかを参考にしてみると良いでしょう。

 

そこで2回に渡って、1997年から2015年までの間に何度かデザインを変更した「Google」ロゴを、ロゴリニューアルのタイミングの参考としてご紹介。

前回の1997年〜2010年に引き続き、今回は2010年〜現在までのロゴデザインの変遷を解説します。

 

 

 

 

 

Googleロゴの歴史4:2010年〜

1999年5月31日にリニューアルされた時のロゴはこちらです。

 

Googleロゴ-1999

それから約11年後の2010年5月、久しぶりにロゴデザインがリニューアルされました。

 

Googleロゴ-2010

1999年から使われていたロゴと一見同じように見えますが、文字の色や立体感を表す影の濃さが変わる等、微妙な変更が加えられています。

ロゴデザインが立体的な事には変わりないのですが、1999年のロゴよりも立体感が薄れた(平面に近づいた)デザインになっていますね。

なぜこのようなデザインにリニューアルしたのでしょうか?

 

実はこの時期、「スキューモーフィズム(skeuomorphism)」が流行していました。

「スキューモーフィズム」とは、簡単に説明すると、“リアルに見えるようなデザイン(装飾)”の事です。

 

近年は「フラットデザイン」がトレンドとなっている為あまり見られなくなりましたが、少し前までは、アイコンやWebサイトなどのボタンのデザインが“実際にそこにあるかのような”立体感や質感のあるデザインだったのを覚えているでしょうか?

それが「スキューモーフィズム」です。

 

1999年のロゴのやや濃いめの影は、“リアル”と言うよりは“形式的”に付けられた印象があり、「スキューモーフィズム」と異なるものです。

1999年当時はこういったデザインがよく見られましたが、2010年頃にはそれはトレンドデザインでは無くなった為、“古いデザイン”となってしまいました。

 

古さを感じるロゴデザインは、会社そのものの印象も“古い”と感じさせてしまうので、この時期にトレンドの「スキューモーフィズム」を取り入れたロゴにリニューアルしたと考えられます。

※ロゴデザインのトレンドについては、記事【知っておいた方が良い?ロゴデザインのトレンドについて】に詳しくご紹介しています。併せてご覧ください。

 

 

 

Googleロゴの歴史5:2013年〜

2010年から使われた「スキューモーフィズム」のロゴは、2013年、遂に立体感が一切無くなった「フラットデザイン」のロゴへとリニューアルされました。

 

Googleロゴ-2013

1999年のロゴは約11年後の2010年にリニューアルされましたが、2010年のロゴはおよそ3年でリニューアル。前回に比べると、かなり短期間でのリニューアルですね。

 

「スキューモーフィズム」に続き、この「フラットデザイン」も トレンドデザインを意識したものになります。

 

「フラットデザイン」は、「マイクロソフト」から2002年に公開されたソフトウェアで取り入れられ、2010年発売「Windows Phone 7」の「フラットデザイン」が好評を博したのを機に、同社の他の製品でも次々と取り入れられていきました。

 

そして2013年。

それまで「スキューモーフィズム」を採用していた「Apple」も、「iOS 7」をリリースした際に「フラットデザイン」を採用。

 

スキューモーフィズムとフラットデザイン

画像引用元:Wikipedia | iOS6,iOS7

 

これを機に、トレンドデザインは「スキューモーフィズム」から一気に「フラットデザイン」へと変わっていきました。

 

「Google」ロゴが「スキューモーフィズム」から「フラットデザイン」へ変更されたのは、こうしたトレンドデザインの動きがあったからなのです。

 

 

 

Googleロゴの歴史6:2015年〜

1999年から2015年まで使われていたロゴのベースとなっていたのは「Catull(カトゥル)」という書体で、「セリフ体」(明朝体の“うろこ”のように、装飾のある書体)でした。

 

フォントの種類イメージ

 

それが2015年のリニューアルの際、「セリフ体」とは全く印象の違う「サンセリフ体」のロゴへと変更されました。

 

Googleロゴ-2015

「Google」ロゴは長らく「セリフ体」を使っていたのに、なぜ2015年からは「サンセリフ体」へと変更されたのでしょうか?

 

そもそも「セリフ体」と「サンセリフ体」では、ユーザーがロゴを見た時に受ける印象が全く違うものになるので、変更するにはかなり思い切った決断が必要だったはずです。

※フォントの印象の違いについては、記事【ロゴの印象が変わる!フォントの種類と選び方の基本】にて詳しくご紹介しています。併せてご覧ください。

 

 

この大きな決断には、スマートフォンやタブレットの普及が関係していました。

 

例えば、日本における「情報通信機器の保有状況」では、スマートフォンの保有率は2010年から2013年にかけて一気に増加しています。

 

総務省のグラフ

引用元:総務省 | 令和元年 情報通信機器の保有状況

 

2016年にはパソコンの保有率を上回ってさらに増加を続けていて、近年になるほど、Webサイトを閲覧する環境がパソコンからスマートフォンへと変わっている事が推測できます

 

Webサイトの閲覧をスマートフォンで行う際にネックになるのが、“表示サイズ”です。

 

パソコンに比べてスマートフォンのディスプレイはとても小さいので、Webサイトの表示サイズも当然小さくなり、パソコンでは可読性に問題が無かったものでも、スマートフォンでは可読性が悪くなってしまうものが出てきました。

 

それが「セリフ体」「明朝体」です。

 

書体の線の幅が均一(正確には均一ではありませんが)である「サンセリフ体」や「ゴシック体」に比べて、線に強弱のある「セリフ体」や「明朝体」は、小さなディスプレイで表示した際に細い線が見えにくくなるのです。

 

サンセリフとセリフの見え方比較

 

「Catull」書体の時の「Google」ロゴは、クラシカルで美しいシルエットのデザインだったので、“安心感”や“信頼感”といった印象がありました。

しかし、ロゴが「サンセリフ体」に変更されると、一気に“カジュアル”で“軽い”印象に。

このリニューアルで、以前の「Catull」書体のロゴに比べて「安っぽいデザインになった」と感じた人も少なからずいた事でしょう。

 

ですが、これはスマートフォンやタブレットでの可読性を優先させた、“これからの時代”を見据えたリニューアルだったのです。

 

 

「Google」ロゴの変遷には、ロゴリニューアルのタイミングの参考となる部分が色々ありましたね。

 

ですが、ロゴをリニューアルするのは大きな決断なので、この記事を読んでもタイミングに悩む方はいる事でしょう。

 

そんな時には、ロゴ作成・制作サービスの【ココロゴ】にご相談ください!

数多くの制作実績のある【ココロゴ】では、【お問い合わせ】にてロゴに関するご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にお尋ねください。

 

「Google」ロゴ画像引用元:Wikipedia | Google logo

 

 

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