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音によるブランディング「サウンドロゴ」の実例紹介!
今回は、実際に使われている「サウンドロゴ」をいくつかご紹介します。
ぜひ、「サウンドロゴ」を作成する際の参考にしてみてください。
■目次
-「サウンドロゴ」実例
▶︎名称が入った「サウンドロゴ」の実例
・ローム株式会社
・エステー株式会社
・株式会社ファミリーマート
・電子マネー WAON[ワオン]
▶︎音だけの「サウンドロゴ」の実例
・インテル・コーポレーション
・電子マネー 楽天Edy[ラクテンエディ]
・大幸薬品株式会社
▶︎こんな「サウンドロゴ」もあります!
・株式会社ノーリツ “お湯はり完了メロディー”
「サウンドロゴ」実例
「サウンドロゴ」には、音楽や音と共に人の声で企業名・ブランド名、キャッチコピーなどを入れているものや、音または曲のみのものなど、様々なパターンがあります。
ここでは、前回の記事で触れた商標登録された音(音商標)の中から、「サウンドロゴ」をいくつかご紹介します。
名称が入った「サウンドロゴ」の実例
ローム株式会社
引用元:特許情報プラットフォームJ-PlatPat | ローム株式会社 音商標 登録・出願情報
京都府に本社を置く、電子部品メーカーの「ローム株式会社」です。
「和音」によって奥行きのある華やかな雰囲気を、そして「半音」によって未来的な雰囲気を醸し出していて、「電子部品」を扱う企業らしく“最先端技術”をイメージさせる音です。
シンプルで短いですが、とても耳に残る「サウンドロゴ」ですね。
エステー株式会社
引用元:特許情報プラットフォームJ-PlatPat | エステー株式会社 音商標 登録・出願情報
記事【アニメーションの参考に!「モーションロゴ」実例】でもご紹介しました、ひよこのシンボルマークが印象的な「エステー株式会社」です。
ひよこの“ぴよぴよ”という鳴き声が含まれた「サウンドロゴ」になっているので、「ひよこ=エステー」の印象が強く残りますね。
「シンボルマークがひよこだからひよこの鳴き声を入れるというのは、安直ではないだろうか…?」と思われるかもしれませんが、決してそんな事はありません。
例えばテレビCMを見て「エステー」の商品を求めて店舗に行った際、社名や商品の詳しい名称を忘れてしまっても、“ひよこの会社”という事は「サウンドロゴ」の印象から覚えている可能性が高いでしょう。
そうすると、“ひよこ”をヒントに商品を探す事が出来るので、うっかり「他社の類似商品」を購入してしまう可能性が下がります。
一見安直な「サウンドロゴ」のように感じるかもしれませんが、視覚的なロゴと聴覚的なロゴのイメージを合わせる事は、同業他社がいる場合は特に重要となってきます。
株式会社ファミリーマート
引用元:特許情報プラットフォームJ-PlatPat | 株式会社ファミリーマート 音商標 登録・出願情報
「ファミマ」の略称で知られている、コンビニエンスストアの「ファミリーマート」の「サウンドロゴ」です。
コーポレートメッセージである「あなたと、コンビに、ファミリーマート」が、軽快なリズムと共に優しい雰囲気の女性の声で入っていて、気軽に立ち寄りたくなるコンビニのイメージが湧いてきますね。
こちらの「サウンドロゴ」は、2017年9月29日に特許庁に登録されたのですが、“コンビニエンスストア業界初”の事例だそうです。
参照記事:コンビニエンスストア業界初!「あなたと、コンビに、ファミリーマート」が「音商標」として特許庁に登録
電子マネー WAON[ワオン]
引用元:特許情報プラットフォームJ-PlatPat | イオン株式会社 音商標 登録・出願情報
こちらの「サウンドロゴ」は、イオンテールが発行するICカード型前払い式電子マネー「WAON(ワオン)」の決済音で、「WAON」のマスコットキャラクター「ハッピーワオン」の鳴き声をイメージしたものになっています。
『ワオン』という犬の鳴き声はとても可愛くてほっこりするので、この決済音に好感※を持っている人は多いのではないでしょうか?
※2019年、「バイドゥ株式会社」が提供する日本語入力&きせかえ顔文字キーボードアプリ「Simeji」が、アプリ上で10代女子のSimejiユーザーに「好きな電子決済音」のアンケートを行った結果、ランキング1位が「WAON」でした。
参照記事:Simejiランキング 10代女子4,100人が選んだ 「好きな電子決済音」ランキング発表! 第1位は「WAON」!
決済時に一瞬しか流れない音ではありますが、短い「サウンドロゴ」でも十分ブランディングを図る事ができる好例です。
音だけの「サウンドロゴ」の実例
インテル・コーポレーション
引用元:特許情報プラットフォームJ-PlatPat | インテル・コーポレーション 音商標 登録・出願情報
アメリカに本社を置く半導体素子メーカーの「インテル・コーポレーション」です。
前半の広がりを感じる音から後半のテンポの良い音への流れが、シャープでクールな雰囲気を醸し出しています。「ローム」とはまた違った、未来感のある「サウンドロゴ」ですね。
電子マネー 楽天Edy[ラクテンエディ]
引用元:特許情報プラットフォームJ-PlatPat | 楽天グループ株式会社 音商標 登録・出願情報
楽天Edy株式会社が運営するプリペイド型電子マネー「楽天Edy」の決済音です。「WAON」と違って、こちらは“電子マネーっぽさ”を感じる「サウンドロゴ」ですね。
フェードアウトしていく電子音は、手元からお金が離れていく様子を表しているように感じるので、現金のやりとりが無くても“支払いをしている”ような感覚になります。
大幸薬品株式会社
引用元:特許情報プラットフォームJ-PlatPat | 大幸薬品株式会社 音商標 登録・出願情報
“ラッパのマークの正露丸”のフレーズでお馴染みの「大幸薬品株式会社です。
「正露丸」のテレビCMで使われている“ラッパのメロディ”が、「サウンドロゴ」となっています。
この“ラッパのメロディ”は兵士に食事の時間を知らせる為のもので、マークに描かれているラッパ自体も演奏用ではなく、信号を伝える為に使われていたものだそうです。※
※大幸薬品 「ラッパのマーク」の歴史より
ちなみに「正露丸」は「大幸薬品」の登録商標なのですが、“普通名称化※”していて、「大幸薬品」以外からも販売されています。
※需要者の間で一般名称化する現象。「魔法瓶」や「エスカレーター」など。
ですので、ユーザーが“同業他社の正露丸”と混同してしまわない為にも「正露丸=大幸薬品」という事を強く印象づけさせる必要がありました。
「エステー」のひよこと同じように「大幸薬品」も、シンボルマークであるラッパの音を使う事で、「正露丸=大幸薬品」という印象を強めています。
こんな「サウンドロゴ」もあります!
株式会社ノーリツ “お湯はり完了メロディー”
引用元:特許情報プラットフォームJ-PlatPat | 株式会社ノーリツ 音商標 登録・出願情報
ここまでご紹介したものは、企業やブランドの名称がそのまま入っているものや、商品やサービスのイメージに合わせて作られた「サウンドロゴ」でした。
一方こちらは、メロディーと『お風呂が沸きました』の声によって給湯器のお湯はり完了を知らせる「サウンドロゴ」で、ブランディングというより“お知らせ”を目的として作られたものです。
ご家庭の給湯設備によっては、この「サウンドロゴ」に親しみを感じる人がいるのではないでしょうか。
ちなみに「ノーリツ」は、1997年に業界で初めて“お湯はり完了メロディー”を搭載した給湯器のリモコンを販売した企業です。
“お湯はり完了メロディー”を搭載した給湯器のリモコンは、目の不自由な方がお風呂を沸かす際に感じる不便さを解消する為、“音によって沸き上がりを知らせる”というアイデアから生まれた製品との事。
参照記事:クラシック音楽を含む音声で初めて、音商標に登録 「お風呂が沸きました」でおなじみの "お湯はり完了メロディー"
「ノーリツ」は、音によってブランドイメージを高めようとしたのではなく、“ユーザーにとって、より使いやすいものを求めて音を活用”した結果、ブランドイメージが高まったケースですね。
「サウンドロゴ」は企業広告だけではなく、私たちの生活の様々なところでも使われています。
全く意識していなくても自然と耳に入ってくる「サウンドロゴ」は、視野に入れて初めて認識する通常のロゴ(図案)に比べ、ユーザーやターゲットとの接触が多くなります。
生活の身近なところにあって記憶に残りやすい「サウンドロゴ」だからこそ、「音」がユーザーやターゲットにどのような印象やイメージを与えるのか、よく考えて作成する必要があります。
「サウンドロゴ」の前に、まずは通常のロゴ(図案)を作りたいな…
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