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「和風デザイン」とはちょっと違う?「お正月デザイン」の作り方のコツ!
日本では年間を通して様々な行事やイベントが行われますが、その中でも一番“和”を感じるのは「お正月」ではないでしょうか。
その為、「お正月デザイン=和風デザイン」と思っている方も多いのではないかと思われます。
ですが、普通に「和風デザイン」を作っても「お正月デザイン」にはなりません。
“お正月っぽさ”を感じさせる為には、いくつかのポイントを押さえてデザインしなければいけないのです。
今回は、「和風デザイン」とは少し違う「お正月デザイン」の作り方のコツを、詳しく解説していきます。
■目次
-「和風デザイン」と「お正月デザイン」の違い
・「和風デザイン」とは
・「お正月デザイン」とは
-「お正月デザイン」作り方のポイント
・お正月を連想させるモチーフ
・縁起の良い文様
・干支のモチーフ
・縁起の良い色
・“和”のイメージに合うフォント
「和風デザイン」と「お正月デザイン」の違い
「お正月デザイン」を作るには、「和風デザイン」との違いを理解しておく必要があります。
では、一体どのような点に違いがあるのか、それぞれのデザインの特徴を解説していきましょう。
「和風デザイン」とは
イラストAC:イラスト素材「和風素材」
「和風デザイン」を作るには、ご存知のとおり“和”を感じさせる要素が必要です。
記事【簡単そうで実は難しい!?「和風ロゴ」作り方のポイント】でもご紹介していますが、例えば「伝統文様」や「伝統色」「和を感じさせるモチーフ」といった要素です。
特に、「伝統文様」や「和を感じさせるモチーフ」は“和”を強く感じさせる要素なので、デザインに少し加えるだけでも「和風デザイン」にすることができます。
「お正月デザイン」とは
イラストAC:イラスト素材「正月素材/背景/アイコン」
「お正月デザイン」にも“和”の要素は必要ですが、それ以外に必要なのが“お正月を連想させる”要素です。
例えば、しめ縄をはじめとするお「正月飾り」や、駒や羽子板などの「お正月玩具」、鶴亀・富士山などの「縁起物」のモチーフです。
また、「お正月デザイン」では“色”も重要な要素となっています。
お正月には、“特定の色”が多く使われている事にお気づきでしょうか?
それは、お祝いをイメージさせる「紅白」や「金」といった色です。
「和風デザイン」の場合、イメージに合う色であれば何色でも良く、和風っぽさを強く出したい場合には「伝統色」を使います。
一方、新年を祝う行事であるお正月の場合、そのイメージに合う色は限られてきます。
「お正月デザイン」では、“お正月を連想させるモチーフ”だけでなく、“お祝いをイメージさせる色”を使うことで、“お正月っぽさ”を感じさせるデザインにしているのです。
「和風デザイン」と「お正月デザイン」はどちらも“和”のデザインがベースとなっていますが、「和風デザイン」に特定の要素を加えたものが「お正月デザイン」になります。
「お正月デザイン」作り方のポイント
それでは次に、「お正月デザイン」の作り方のポイントを解説していきましょう。
お正月を連想させるモチーフ
お正月ならではのもの
先述したお正月飾りなどのモチーフは、“お正月っぽさ”が強い要素となるので、それらを使えば簡単に「お正月デザイン」にすることができます。
<お正月ならではのもの例>
- しめ縄
- 鏡餅
- 門松
- おせち
- 雑煮
縁起物
こちらも先述しましたが、縁起物のモチーフも「お正月デザイン」では多く使われます。
ただし、縁起物はお正月に限らず使われる事が多いモチーフなので、他の要素と合わせてデザインすると良いでしょう。
<縁起物例>
- 富士山
- 日の出(初日の出)
- 獅子舞
- 打ち出の小槌
- 松竹梅
縁起の良い文様
「伝統文様」(和柄)は様々ありますが、その中には「縁起の良い文様」というものがあります。
「伝統文様」を何となく選んで使うのではなく、縁起が良い意味を持つ柄を選んで“お正月っぽさ”を演出しましょう。
<縁起の良い文様例>
●市松模様
記事【「東京2020エンブレム」に学ぶロゴデザインのポイント】でもご紹介しましたが、「東京2020エンブレム」に採用され、最近では漫画「鬼滅の刃」の主人公・竈門炭治郎(かまど たんじろう)の羽織の柄(黒と緑のチェック柄)として使用された、和柄の中でもよく見かける模様です。
元々は石畳のような柄だったことから「石畳」と呼ばれていましたが、江戸時代に歌舞伎役者の佐野川市松(さのがわ いちまつ)が舞台衣装にこの模様を用いたことから「市松模様」と呼ばれるようになりました。
この模様は、柄が途切れることなく続いている様子から“繁栄”の意味が込められていて、“子孫繁栄”や“事業拡大”に縁起の良い柄として好まれています。
●麻の葉
こちらの柄も、漫画「鬼滅の刃」で目にした方が多いのではないでしょうか?
主人公の妹・禰豆子(ねずこ)の着物の柄(ピンク地に麻の葉)に使用されていますね。
この柄は平安時代から仏教装飾で使用されてきたもので、麻の葉に似ていることから「麻の葉」と呼ばれるようになりました。
成長スピードが非常に早くまっすぐ伸びる麻にあやかって、「麻の葉」には“子供の健やかな成長”の願いが込められています。
●青海波(せいがいは)
こちらも、和柄の中ではよく見かける柄のひとつですね。
実はこの柄の発祥は、日本ではなく古代ペルシャ。シルクロードを経て中国に伝わり、飛鳥時代に日本に伝わったのだそうです。
無限に広がる波の模様に“未来永劫に続く平穏無事な暮らし”の願いが込められています。
干支のモチーフ
“お正月っぽさ”を感じさせるモチーフとして、特に“その年らしさ”が出るのが「干支のモチーフ」です。
ただし、干支のほとんどは普通の動物なので、単体で使用しても“お正月っぽさ”はあまり感じられません。
干支を使用する場合は、「縁起の良い色」や「縁起の良いモチーフ」と組み合わせて、“お正月っぽさ”を出すと良いでしょう。
縁起の良い色
先述しましたが、「お正月デザイン」では“お祝い”をイメージする色として、「紅白」が多く使われています。
「紅白」の由来には諸説ありますが、「紅(赤)=赤ちゃん=出生」・「白=死装束=死・別れ」をそれぞれ意味することから、「紅白=人生そのもの」を表しているとのこと。
元々、「紅白=縁起の良い色」という意味は無かったようですが、“ハレ(非日常)の日”に赤飯や白い餅を振る舞っていた習慣があったことから、“紅白はおめでたい・縁起の良い色”となっていったようです。
「紅白」以外では「金」もよく使われていますね。
「金」も“ハレの日”を感じさせる特別な色なので、「お正月デザイン」には欠かせません。
“和”のイメージに合うフォント
「お正月デザイン」では、「和風デザイン」と同じように“和”のイメージの合う「筆文字」や「明朝体」のフォントがよく使われています。さらに最近では、「筆文字」や「明朝体」以外に「ゴシック体」のフォントも頻繁に使われるようになってきました。
「ゴシック体」は“和”をイメージするフォントではないのに、なぜ頻繁に使われているのかと言うと、“新しい和風デザイン”である「モダン和風」の人気が高まっているからです。
※「モダン和風」については、記事【簡単そうで実は難しい!?「和風ロゴ」作り方のポイント】にて詳しくご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
“王道のお正月デザイン”にする場合は「明朝体」や「筆文字」、“モダン和風なお正月デザイン”にする場合は「ゴシック体」(または、ゴシック体を元に、デザイン的に作られたゴシック系フォント)やレトロな雰囲気の「ロマン風書体」といった具合に、「お正月デザイン」の雰囲気に合わせてフォントを変えると良いでしょう。
「お正月デザイン」は、ポイントさえ押さえれば作るのは難しくはありません。
『お正月デザインにしたいのに、ただの和風デザインになってしまうなぁ…』という方は、ぜひここで挙げた「お正月デザイン」の作り方のポイントを参考にしてみてくださいね。
お困りのことがございましたら、お気軽にこちらからお問い合わせください。