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パロディを作るなら知っておこう!「著作権」の話

コラム
2022.05.10
前回の記事では、パロディ・オマージュ・盗作の3つの違いについて詳しく解説しました。

今回は、パロディ(オマージュも含む)を作る際に知っておかなければいけない「著作権」などについて詳しく解説していきます。

 

 

 

 

パロディはOK?それともNG?

OKかNGか

 

パロディと著作権

著作権法のイメージ

 

「パロディグッズ」は、前回の記事でも述べたようにバラエティグッズ店などでごく普通に販売されている為、『パロディは特に問題無い』といった認識を持っている方は多いのではないでしょうか?

 

ですが、「著作権」※の観点から言うと、パロディはNGとなります。

そして、盗用は言うまでも無くNGですが、オマージュもNGとなります。

※「著作権」については、記事【知っていますか?ロゴの「著作権」について】にて詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

 

創作物(元ネタ)には、それが創作された時点で「著作権」が発生しています。

一見すると容認されているように感じられるパロディやオマージュですが、元ネタを作り替えている為に“著作権を侵害している”となるのです。

 

 

 

パロディと親告罪

パロディは著作権侵害に当たりますが、実際にパロディ作品が訴えられているケースを見かけることはほとんどありませんよね?

 

パロディは、著作権を持つ人(著作権者)が告訴しない限り“著作権を侵害している”とならない「親告罪」となっています。つまり、著作権者が訴えなければ著作権侵害とならないのです。

 

例えば、著作権者がパロディ作品を認識していても、作品的に面白く作られていたり元ネタのイメージを著しく損なう訳では無い場合などは著作権者がパロディ作品を“黙認”して、問題にしないこともあるのです。

 

尚、創作物が「商標登録」されている場合、パロディは“著作権の侵害”ではなく“商標権の侵害”になります。この場合は「非親告罪」となり、著作権者が訴えなくても捜査や逮捕の対象となります。

※商標権につきましては、記事【ロゴを保護する「商標権」!「著作権」との違いも解説します】【ロゴは「商標登録」した方が良い?登録によるメリット・デメリット】にて詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

 

 

 

パロディがOKな場合とは?

OKのイメージ

 

パロディは基本的にNGなのですが、実はOKな場合もあります。

 

それが、「著作権者にパロディ制作の許可を取っている場合」です。

 

世の中には数多くのパロディ作品が溢れていますが、それらが全て著作権者によって黙認してもらっている訳ではありません。

パロディ制作者が著作権者にきちんと許可を取って、トラブルになるのを避けている場合もあるのです。

 

それから、パロディ作品を「個人的に使用する場合」もOKとなっています。

 

著作権法では、営利目的ではなく、個人的・家庭内・仲間内などの限定された範囲で楽しむ分には“パロディはOK”としています。

ですので、パロディロゴを作っても会社やお店などのロゴにしたりグッズ化して販売はできませんが、個人的に楽しむ分には何ら問題はありません。

 

ちなみに、パロディロゴを個人的に使用する目的(例えば、文化祭のオリジナルTシャツを作るなど)であっても、業者に委託してグッズ化する場合はNGとなります。

というのも、著作権法では「パロディを含む著作物を、個人利用する本人以外が複製すること(つまり、業者に委託しての複製)は違法」としているからです。

その為グッズ制作会社や印刷会社では、著作権者の許諾を得ている場合を除いて、パロディ作品でグッズを作ることを断っています。

 

 

 

事件になったパロディロゴ

事件のイメージ

 

それではここで、パロディロゴが事件となったケースを1つご紹介しましょう。

 

2013年千葉県にて、世界最大のコーヒーチェーン店「スターバックスコーヒー」のパロディロゴ事件がありました。

 

2つの尾をもつ人魚のような(正確にはセイレーン:ギリシャ神話に登場する海の怪物)ロゴデザインは、多くの人がよく知っている企業ロゴのひとつかと思います。

そのロゴデザインの一部を変更し、看板を作って掲げていたバーの経営者が商標権を侵害した疑いで書類送検されたのです。

 

「スターバックスコーヒー」のロゴデザインは、2011年に“緑と白のカラーで描かれた人魚のモチーフ”のみに変更されましたが、パロディの元となったのはそれ以前に使われていた“黒地に人魚・その周りの緑の円に「STARBUCKS COFFEE」の文字”のものでした。

そしてこのデザインを、バーの経営者が「人魚の尾→ビールジョッキ」「STARBUCKS COFFEE→GIRL'S STAR BAR」と変更し、パロディロゴを作ったのです。

 

バーの経営者は軽い気持ちでパロディロゴを作ったのかもしれませんが、ロゴが商標登録されていたこともあった為、事件となってしまいました。

 

 

著作権者にとってロゴは、大切な“財産”のひとつです。

世間では“パロディはOK”といった雰囲気があるかもしれませんが、基本的にはNGであることは覚えておきましょう。

 

 

 

 

有名企業のパロディロゴが作れるロゴジェネレーター

パロディロゴは「個人的に楽しむ分には問題無い」と分かったところで、有名企業のパロディロゴが簡単に作れる「ロゴジェネレーター」※をご紹介しましょう。

※「ロゴジェネレーター」とは、デザイン専門のソフトを使わずに、Webサイト上でロゴ作成が可能なオンラインサービスの事です。記事【ロゴジェネレーターを使った ロゴ作成のメリット】で「ロゴジェネレーター」について解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。

 

有名企業のパロディロゴが作れるのは「festisite」という海外のWebサイトです。

 

ロゴジェネレーターサイトのイメージ

画像引用元:DIY White Label Logo | Festisite

 

ロゴの図案の部分は変更できませんが、ロゴタイプ(文字)の部分を好きな言葉や名称に書き換えることでパロディロゴが作れる仕組みになっています。しかも、作ったパロディロゴのデータはダウンロードが可能です。

 

企業ロゴ以外にも、顔写真を当てはめて紙幣やポスター、身分証明証のパロディを作ることもできます。

 

尚、こちらのサイトにある各企業のロゴは“非公式”のものとなっています。その為、“こちらのサイトで作ったパロディロゴの使用に関しては自己責任”という旨の注意文が出てきます。

パロディロゴを使用する際は、先述した“個人利用”の範囲に止めておきましょう。

 

注意文の下にある「I agree」ボタンを押して、パロディロゴの取り扱いに同意することでサービスを利用できるようになります。

 

注意文と同意ボタンの画面

 

それでは、「festisite」で作成したパロディロゴをいくつかご紹介しましょう。

 

まずは、コンビニチェーンで有名な「セブン-イレブン」のロゴから。

 

セブン-イレブンのパロディロゴ

 

「ELEVEN」の部分が書き換え可能なのですが、「COCOLOGO」にすると元のロゴデザインから文字数が増えるので、デザインがはみ出てしまいました。

ロゴのデザインによっては、このように文字数制限がある(入力はできるけどはみ出てしまう)ので、作りたいパロディロゴが作れない場合もあります。

 

次は「You Tube」です。

 

YouTubeのパロディロゴ

 

こちらは文字がはみ出すことはありませんでしたが、オリジナルの「YouTube」の文字で見慣れている為、ちょっと違和感がありますね。

 

「Google」の旧ロゴもありました。

 

Googleのパロディロゴ

 

「Google」と「COCOLOGO」(雰囲気を合わせる為に「Cocologo」で作成)は形が同じまたは似たアルファベットが使われているので、良い感じにパロディロゴになりました。

 

ここでご紹介した企業ロゴ以外にも、まだまだ色々ありますので、ぜひ色々作って遊んでみてくださいね。

 

ちなみに、記事【作ってみたくなる!漫画タイトルのロゴジェネレーターをご紹介】では漫画タイトルロゴが作れる「ロゴジェネレーター」をご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。

 

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