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デザイナーでなくても作れる!本の表紙デザインのコツ 〜タイトル文字編〜
昔に比べて少部数の印刷にも対応してくれる印刷会社が増えたことにより、“個人で本(同人誌など)を出版する”ハードルはグッと下りましたよね。
それに加えて、近年は「電子書籍」が普及したことにより、「電子書籍」での出版も可能に。
より簡単に“個人で本を出版”できるようになりました。
ですが、いざ本を作るとなった時、デザイナーでは無い人にとっては本の表紙を作る(デザインする)のがネックとなって、まだまだ『出版のハードルが高い…』と感じているのではないでしょうか?
今回は前編・後編に分けて、デザイナーでは無い人でも本の表紙を“それっぽく”作れるコツをご紹介します。
デザイナーでなくても本の表紙は作れる?
出版社から出版される本は表紙をデザインする専門のデザイナー(装丁家またはブックデザイナー)が手掛ける為、著者が表紙をデザインする必要はありません。
ですが自費出版の場合、予算の都合上デザイナーに表紙デザインの作成を依頼することが難しく、自分で作らなければいけないことも多いでしょう。
『デザイナーじゃないから、どうやって表紙をデザインすれば良いか分からない…』
そんな理由から、自費出版をためらったり、諦めている人もいるのではないでしょうか?
実は本の表紙は、文字の配置や背景を少し工夫するだけで“それっぽい”デザインにすることができるので、デザイナーではない方でもポイントを押さえれば作ることは可能です。
本の表紙デザインで必要な要素は大きく分けると「タイトル文字」と「背景デザイン」の2つがあり、それぞれの要素で表紙っぽく見せるコツがあります。
前編の今回は、「タイトル文字」のコツをご紹介。
コツと共にイメージサンプルも掲載していますので、ぜひ表紙デザインのアイデアの参考にしてみてください。
表紙を作るコツ 〜タイトル文字編〜
タイトル文字のコツ①…タイトルの配置
「タイトル文字」と言うと、「ロゴ」のように凝った装飾やデザイン的な文字を入れなければいけないイメージがあるのではないでしょうか。
ですが、必ずしも「タイトル文字」に凝った装飾やデザイン的な文字を使う必要はありません。
フォントをそのまま使った「タイトル文字」でも、工夫次第で表紙っぽく見せることはできます。
その工夫のひとつが、「タイトルの配置」です。
“ここに文字を配置すれば、本のタイトルっぽく見える”という位置がありますので、「タイトル文字」を配置する際の参考にしてみてください。
「Zの法則」の位置に配置
「Zの法則(Zパターン)」というのをご存知でしょうか?
人は紙媒体を見る(読む)際に決まった視線の動きをするのですが、その動きがアルファベットの「Z」と同じように左上→右上→左下→右下となる為、「Zの法則」と言います。
※「Zの法則」については、記事【Webサイトを制作するならぜひ読んで欲しい!ロゴがWebサイトに与える影響とは】にて詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
視線が「Z」で動く際、「左上」「右上」「左下」「右下」の箇所は特に視線が向きやすいので、この4箇所に「タイトル文字」を配置すると目に留まりやすくなります。
「Zの法則」を実感しやすいのが、雑誌やチラシ・ポスターなどの「タイトル文字」の配置です。
これらの多くの「タイトル文字」は視線の動きのスタート地点のある“表紙の上部”に配置されている為、目が留まりやすいですよね。
“表紙の上部”は一番ベーシックな「タイトル文字」の配置場所なので、「タイトル文字」の配置場所に迷った時は“表紙の上部”に配置しておくと間違いないです。
中央に配置
「タイトル文字」を配置する際、上下左右の余白のバランスを取るのが難しく感じる人はいるでしょうか?
そんな方でも、簡単に配置が決められる場所をご紹介しましょう。
それが、“中央に配置”です。
「タイトル文字」を中央揃えにする場合は“表紙のど真ん中”に配置すれば良いので、上下左右のバランスが取りやすく、配置が決まりやすいです。
また、「タイトル文字」を左揃えや右揃えなどにして、配置に少し変化をつけてみるのも良いでしょう。
縦に配置
小説など文章がメインの本の場合、「タイトル文字」が“縦に配置”されているのをよく見かけますよね。
文章がメインの本は本文が“縦書き”になっていることがほとんどなので、「タイトル文字」を“縦に配置”することで文章がメインの本であることをそれとなく伝えることができます。
また、「タイトル文字」を“縦に配置”にすると、“和風”や“堅い”といった印象も与えます。
このように書くと『自分の本は小説ではないから…』や『本の内容がカジュアルだから…』と、“縦に配置”を避ける方がいるかもしれませんが、タイトルに使うフォントなどを工夫することで“和風”や“堅い”以外の印象にすることも可能なので、ぜひ“縦に配置”も活用してみてください。
斜めに配置
「タイトル文字」を水平または垂直に配置すると“落ち着いている”といった印象になりますが、『もう少し大胆で迫力のある雰囲気にしたいな…』という場合には“斜めに配置”がおすすめです。
ただし、「タイトル文字」をわずかに傾けた場合は『何かタイトル文字が歪んでる?』と思われてしまうので、意図的に“斜めに配置”しているのが伝わる程度に傾けるのが良いでしょう。
タイトル文字のコツ②…文字の大きさ
「タイトル文字」の文字の大きさを変えるのも、表紙の印象が変わったり、より表紙っぽいデザインにするコツです。
大きく配置
「タイトル文字」を“大きく配置”すると、インパクトのある表紙にすることができます。
また、『タイトル文字をどれくらいの大きさにしようか悩むなぁ…』や『タイトル文字の大きさのバランスが難しいな…』と悩んだ場合にも、“大きく配置”をオススメします。
文字の大きさを表紙いっぱい(全面)にすれば、文字の大きさやバランスに悩むことが少なく、簡単に印象的な表紙デザインにすることができます。
小さく配置
先ほどとは反対に、「タイトル文字」を“小さく配置”すると、静かで落ち着いた印象の表紙になります。
ただし、「タイトル文字」を小さくすると表紙の余白が多くなるので、「タイトル文字」を配置する位置決め(余白とタイトル文字のバランス)が難しく感じるかもしれません。
文字の大きさが変わっても配置する場所の基本は同じなので、前項の【タイトルの配置】を参考に位置を決めると良いでしょう。
文字によって大きさを変える
「タイトル文字」の文字が全て同じ大きさの場合、シンプルでスッキリした印象にはなりますが、ちょっとありきたりにも見えてしまいますよね。
そこで、『もう少しタイトル文字に変化をつけたい』という方には、“文字によって大きさを変える”ことをオススメします。
“文字によって大きさを変える”という一手間を加えると、「タイトルロゴ」のように見せることができます。
“文字によって大きさを変える”でよく使われる文字の大きさのバランスには、「漢字を大きく/ひらがなを小さく」や、「注目してもらいたいキーワードを大きく」「文頭にくるの文字だけを大きくする」などがあります。
タイトル文字のコツ③…フォント選び
「タイトル文字」の“縦に配置”でも少し触れましたが、「タイトル文字」に使用するフォントによって、表紙のイメージは変えることができます。
イメージに合わせたフォントの選び方については、記事【ロゴの印象が変わる!フォントの種類と選び方の基本】や【形と色でこんなに変わる!ロゴが与えるイメージの話】で詳しくご紹介しています。ぜひ、こちらも併せてご覧ください。
「タイトル文字」を「ロゴ」のように凝ったデザインにしなくても、配置などを工夫するだけで表紙っぽくなるので、表紙をデザインするハードルがグッと下がったのではないでしょうか?
次回も引き続き、表紙を作るコツをご紹介していきます。
お困りのことがございましたら、お気軽にこちらからお問い合わせください。